混成競技とは

混成競技とは 陸上競技の走・跳・投の様々な種目を一人で行う競技です 古代オリンピックの時代から存在するこの混成競技は、専門性に特化した人材ではなく、すべての種目を1人で行うことが求められることから、アスリートの王様 King of Athlete と呼ばれ、讃えられてきました

男子は十種競技 女子は七種競技

近年、男子は十種競技=Decathlon、女子では七種競技=Heptathlon が行われており、欧米諸国では絶大な人気を誇っています

十種競技では 1日目:100m 走幅跳 砲丸投 走高跳 400m 2日目:110mハードル、円盤投 棒高跳 やり投 1500m

七種競技は 1日目: 100mハードル 走高跳 砲丸投 200m 2日目: 走幅跳 やり投 800m

を2日間かけて行います それぞれの勝者はKing of Athletes(十種競技)、Queen Of Athletes(七種競技) と呼ばれています

最も過酷なスポーツ?

御覧の通り、普通ならば自分の専門種目1つしか行わないのに対し、混成競技は1人で複数の種目を行います

多くの大会では、その日の最初の種目が十種競技の100m、その日の最後の種目が400m そして翌日最初の種目が110mハードル、最後の種目が1500mとなっています つまり、2日間、最も長く行われている競技ということになります しかも1日目の最終種目が終わっても、 およそ12時間の休息を経て 2日目の競技が始まるので気が抜けません! つまり丸々2日近く戦い抜かなければならない過酷なスポーツなのです

走る、跳ぶ、投げる

言わずもがな、跳ぶことが専門の競技者と投げることが専門の競技者の体格は全く違います 短距離競技者と長距離競技者の筋肉の質や、必要とされる力は異なります

異なる特性を持つそれぞれの種目を一人の人間が行うことは大変困難です

しかし混成競技選手はそうした矛盾を解決しなければなりません さらに、長時間をかけて行う競技であるため、優れた身体能力に加え、タフなメンタルを持ち合わせていることが重要であると考えられます

混成競技の魅力

このような混成競技だからこそ、競技者達は多くの人に称えられています また、競技者はそれぞれ得意な種目が異なっていたり、すべての種目をオールラウンドにこなす者がいたりと多種多様です このことから競技者同士が互いの良さを称え合う種目でもあります 2日間の激しい激闘を戦い抜いた末には互いの中も深まる そんな魅力あふれるスポーツです

古代オリンピックから続く混成競技

先にも述べましたが、混成競技は古代オリンピックから存在しています その中身は現代とは異なり、「スタディオン走(およそ200m)」「走幅跳」「円盤投」「やり投」「レスリング」から成り立っていました その後さまざまな形に姿を変え、勝敗の決定方法も移り変わり、現代のようになりました

1920年初出場

日本において十種競技で初めてオリンピックに出場したのは1920年のことになります

後の筑波大学で日本初の体育学部学部長に就任する野口源三郎が日本人初の混成競技オリンピアンです その後、1964年の東京オリンピックに鈴木章介が出場しましたが、それ以降長らくオリンピックに出場することはありませんでした

"2012年" "48年ぶり"

2012年のロンドンオリンピックに日本記録保持者の右代啓祐選手が出場

2016年リオオリンピックは中村明彦選手も加わり2名のオリンピアンが世界の扉をたたきました

しかし、世界も同時に進化しており、2015年にアメリカのアシュトン・イートン選手が世界記録を更新

その後2018年フランスのケビン・マイヤー選手がさらに世界記録を更新 近年、世界記録が大きく更新されています

混成競技の未来について

十種競技は近年世界の扉をたたき今後の活躍が大いに期待されます 若い力も育っており、2017年にはジュニア規格の十種競技の日本記録が600点近く更新されました

また、近年は女子七種競技も盛り上がりを見せており、日本には現役選手が日本歴代1,2,3,4位を占めております

今後十種競技、七種競技発展のためにはアスリートが世界と戦うことはもちろん

多くの人に混成競技を知ってもうことも一つの方法です

本サイトでは混成競技に触れることから、深く掘り下げていくことまで、 幅広い情報発信をしていきたいと考えています

それでは、混成競技の世界をどうぞお楽しみください